一発合格体験記!保育士試験の実技の内容や対策、合格する秘訣は?
毎日必死で勉強した人も、そうでない人も、筆記試験合格の喜びはひとしお。
しかし、実技試験という、更なる試練が待ち構えているのです。
喜んでばかりも居られない!という心境にさせられてしまうものがありますよね。
また、実技試験は、筆記試験とは違い、後で答え合わせができるようなものではないことや、採点基準がイマイチわかりにくいことなど、対策のしようがないという難点が…。
確かに、当日の試験会場に居る試験官の裁量によって合否が決まってしまうとあっては、どうしようもないところもありますよね。
試験官に「これでひとつ、よろしくお願いします…!(^人^)」なんて言いながら菓子折りを渡す…というわけにもいきませんし(^^;
そこで、今回は、なかなか見えにくい実技試験の概要や、私自身の合格体験記などを、なるべく詳し目にお伝えいたします。
こう見えて私、一応、一発合格していますので…♪
何らかのヒントになることがありましたら嬉しいですm(__)m
実技試験って何するの?
実技試験の内容は、音楽・造形・言語の3種類の中から2つを選んで、各々で6割以上の点数を獲得すれば、合格です!
50点満点なので、30点ですね。
受験する科目は、一番最初の受験申込の際に選択したものとなります。
後からの変更は、できません。
音楽に関する表現
幼児に歌って聴かせることを想定して、弾き歌いを行います。
弾き歌いの曲は、受験申し込みの段階で公開されている課題曲2曲です。
毎年、ゆったりめの曲が1つと、リズミカルな曲が1つになるように設定されているようです。
弾き歌うのは、それぞれの曲の1番のみとなっています。
基準となる楽譜も公開されていますが、大幅に逸脱しない限りでは編曲・移調もOKです。
また、前奏や後奏などをアレンジして付けても良いことになっています。
楽譜も試験会場に持ち込めます。
受験に際しては、会場にあるピアノを使って行われますが、アコースティックギターやアコーディオンの使用も可能です。
ただし、ピアノ以外の楽器は、自分のものを持参しなければならないため、注意が必要です。
造形に関する表現
保育における一場面を、45分間で色鉛筆画で表現するというものです。
どのような場面を描くかという問題文や諸条件は、試験会場にて発表されるため、具体的な準備が行えません。
例えば、平成28年前期に実施された実技試験の問題は、このような形でした。
結構、色んな注文…いや、決まりごとがあるものなんですね(°д°)
このお題に即した絵を、A4の用紙に描きます。
また、絵を描く枠の大きさはタテヨコ19cmとなっています。
紙は当日配られますが、絵画に必要な筆記用具(下書き用の鉛筆・色鉛筆・消しゴム)は各自持参が必要となります。
当然ながら、受験者間での用具の貸し借りは認められていません。
制限時間内で下書きと色塗りまでを完成させるとあっては、絵が得意な人であっても、なかなかハードな内容と言えるでしょう。
言語に関する表現
試験官2名を目の前にして、「3分間のお話」をします。
ただし、試験官に向かって話しかけるのではなく、3歳児クラスの子ども20人が目の前にいると想定して行うのです。
課題は、受験申し込みの段階で公開されている4つのお話しの中から1つを選択します。
「うさぎとかめ」や「おむすびころりん」といった、オーソドックスで馴染みのあるお話が中心です。
子どもが集中して聴けるように、お話の編集や展開など、受験者自身で工夫して行えることになっています。
ただし、絵本や人形といった小道具は、一切持ち込むことができません。
もちろん、台本やカンペもダメ。
全くの丸腰で臨まなければならないのです。
ある意味、漫才師やピン芸人よりも緊張感あふれる過酷な状況となります。
また、3分間という時間は絶対となります。
早く終わってしまっても3分間はその場から動くことが許されませんし、オーバーしてしまうと途中でお話を終えてしまわなければならないこととなります。
この3分間は、自分のタイミングではなく、試験官が「では、始めてください」と言ったその瞬間からがスタートとなります。
やり直しはききません。泣いても笑ってもその場限りのこととなるのです。
実技試験への持ち物や服装は?
まず、申込の段階で自身がどの科目を選択したか?ということによって持ち物は異なって来ます。
例えば、音楽と言語を選択したのであれば、楽譜や楽器が揃っていれば、取り敢えずは良いでしょう。
しかし、造形を選択した場合には、絵を描くための道具は絶対に必要です。
特に、色鉛筆を忘れてしまっては、試験の合格自体が絶望的なものとなってしまいます。
試験会場の近くに文具店でもあれば調達も可能ですが、おおよそそのようなことは困難と思われますので、必ず持参するようにしましょう。
加えて、色塗りにはパステルやクレヨンなどは使用できません。
あくまでも色鉛筆が必要となりますので、その点も気を付けましょう。
どんな場合においても受験票は必須となります!
忘れていないか、今一度確認しておくようにしましょう。
また、服装に関しては特に決まりはありません。
動きやすい服で行けば良いということにはなっています。
しかし、試験官はあなたが「保育士として相応しいかどうか?」ということを1つの採点基準としています。
自ずと服装や表情など、試験項目以外のことも評価の対象となり得るのです。
「常識の範囲内でカジュアルな服装を」と言うと難しく感じてしまいますが、人に不快感を与えないような清潔感のあるスタイルで行く必要はあると言えるでしょう。
こちらにも書いてみましたので、よろしければどうぞ♪
私が実際に実技試験に着て行った服装も公開しています( *´艸`)
hoikushinouragawa.hatenablog.com
受験前にはどんな対策をした?
さて、ここからが私の経験談です。
まずは、受験前にしたことからお話ししましょう。
実は、私の場合、筆記試験に合格できると思っていなかったため、当初、実技試験への対策は全く行っていませんでした(^^;
受験科目に選択したのは、音楽と言語。
それぞれ、筆記試験合格の通知が来てから慌てて対策を行ったので、準備に割けたのはわずか1か月。
それでも何とか合格することができました(*^▽^*)
「こんな感じで1か月を過ごしましたよ」というレポートをお届けします。
音楽は、歌えることが大切!
私自身、3歳から18歳までピアノは習っていて、ある程度の予備知識はあったものの、弾き歌いは未経験(´;ω;`)
さらに、そのあったはずの予備知識さえも、10年以上のブランクですっかり「ピアノが弾けない人」になってしまっていたのです。
個人練習では限界を感じ、慌ててピアノ教室に駆け込みました(^^;
「1か月後なんですけど、大丈夫ですかね…?(´・ω・`)」
という無茶振りにも関わらず、懸命に教えてくださった講師の先生には、もう感謝しかありませんが…。
加えて、私が用意して行った楽譜は、私の技量では限界があるとの判断を早々にしていただきました。
簡単なコード進行になるようにと楽譜を書き換えてもらったり、本来は指導していない発声練習から鍛えてもらったり、とにかく「無理なく弾き歌えるように」ということを重点的に行いました。
あとは、「練習あるのみ!」という状態でした。
毎日、5:00には起きて、電子ピアノにイヤホンを差して弾きながら口パクで歌うのを1時間程度。
週2回のピアノ教室がある日には、発声練習から運指(演奏時の指の動かし方)までみっちり練習。
帰宅後、家事・育児をこなした後にはまた自己練習を2時間程度…。
まさに、ピアノと歌にまみれた1か月間を過ごしました(^^;
おかげで、試験から数年経った今でも、そのときの課題曲を弾き歌いできるほどなんですよ。
言語は、覚えてからが勝負!
音楽の合間に、言語の練習も欠かせません。
私は、「うさぎとかめ」のお話をチョイス。
まずは、お話の全容を理解し、自分なりに話しやすくした台本を作成しました。
そして、それをひたすら覚える。
お経のように毎日ブツブツと唱えるのです。
このときには、特に感情は必要なく、ただただ文字として認識し、頭に叩き込むことに専念しました。
なんなら、話した台本をレコーダーで録音して、聴いたりもしていました。
ある程度すれば、台本が頭の中に入ります。
覚えの悪い私でも、1週間程度で暗唱できるようになりました(*'▽')v
そこから、アレンジが始まります。
話し方に抑揚をつけることはもちろん、顔の表情や、身振り手振りなどのジェスチャーも加えました。
例えば、「うさぎとかめ」においては、うさぎが居眠りしてかめに追い抜かされたことに気づくシーン。
「しまったー!寝過ごした~!!<(x◇x)>」は、本当にこんな表情と仕草になるようにしました。
台本・小道具が持ち込めない以上、自分の身体という武器を磨くより他ありません。
実は、当時保育園児だったウチの子どもたちが「お母さん、何か変なものでも食べたの?(゚Д゚)」と言うぐらい、普段からは想像もできないようなテンションの上がりっぷりだった模様。
3分間という決められた時間をダイナミックに演じきることこそが合格へ繋がるはず!と言い聞かせて過ごしていました。
保育士試験の実技試験を受けてきた!どうだった?
ここからは実際、私が保育士試験の実技試験を受験したときのことをお話ししましょう。
私が保育士試験を受験したのは、秋も深まる時期でした。
試験会場の大学が山の中だったので、少し肌寒いなという感想は持ったものの、取り立てて不快な気候ではありませんでした。
到着から受験まで
私が到着したのは、試験会場開場時間である9:00の少し前。
既に、門の前には受験者と思しき人が列をなして並んでいました。
ほどなく開場し、講堂のような広めのところに全員入場します。
そこで、今日1日の試験会場での動きや、自分の行くべき教室や試験開始時間を知らされます。
当時、私が受験した会場での実技試験受験者数はおよそ600人。
その人数が2科目の試験を受けるとあって、時間にもバラツキがあったようです。
記憶している限りでは、音楽の最後の受験者の試験開始時刻が15:00ごろだったとか。
朝9:00に集合して、10:00ごろに終了する受験者も居れば、6時間以上待たされる受験者も居たようです。
また、選択した2科目の試験のうち、どちらを先に受験することになるかは、その場になってみなければわかりません。
私の場合は、先に言語を受験し、そこから30分ほど空いて音楽の受験でした。
まだスムーズに行った方だったようですね(;´∀`)
緊張感たっぷりの控室
私の控室だったのは、50名程度を収容できる一般教室。
受験を今か今かと待つ受験者であふれ返っていました。
台本を見ながらブツブツと反復練習を繰り返す人も居れば、ピアノの鍵盤に見立てた紙を出して運指練習をする人など、様子も様々。
落ち着かないのか何度も席を立ちトイレに行く人も居て、こちらまで緊張してしまう空気感でした。
当の私はというと、最後の悪あがきは全くせずでして…。
試験結果には自信がなかったのですが、「今からどうにでもできるもんじゃないしな」と、半ば諦めにも似た気持ちだったように思います。
ただ、隣の部屋ではまさに試験が行われている状態で、言語での悲鳴にも似た抑揚のつけ方や、弾き歌いでの外れた音などが聞こえて来て、少々耳障りに(^^;
耳栓をしていたり、音楽を聴いたりして過ごしていました。
因みに、ループして聴いていたのは、嵐の「Happiness」でした( *´艸`)
取り立てて嵐ファンと言うわけではないのですが、あの疾走感と爽やかさが、試験前に丁度良かったのです♪
会場の雰囲気はこちらにも書きましたので、よろしければご覧ください♪
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言語は落語家さんになった気持ちで!
いよいよ自分の番号が呼ばれ、言語の試験会場に足を踏み入れました。
会場には試験官2名とタイムキーパーの職員が1人居ました。
私の試験官だったのは、50~60歳ぐらいの優しそうなご婦人でした(p*゚ー゚)(゚ー゚*q)
恐らく、どこかの大学の幼児教育の教員か、管理職クラスの保育士といったところでしょう。
そして、その前には、子どもに見立てた椅子が2脚ほど置かれています。
この椅子に向かって話すのです。
まずは受験番号と名前を言います。
「000000番 タカハシ、いきます!です。よろしくお願いいたします!(*´▽`*)」
という感じだったでしょうか。
すると、試験官が試験の概要を簡単に説明します。
最後には「では、準備はよろしいですか?(*^_^*)」と、穏やかに尋ねられますので、「はい」と答えるとそこから採点の対象となる3分間が始まります。
緊張しすぎて覚えていないというのが正直なところなのですが、常に頭に浮かんでいたのは、
「私は真打に昇進した落語家だ!売れっ子のピン芸人だ!!」ということ。
洗脳にも似た「できるぞ!」という自己暗示が、私自身を突き動かしていたように思います。
思い込み、大事です…!
しかし、終盤にアクシデントが!
3分キッカリで終わるようにと設定したはずの台本ですが、時間が来る前に話し終えてしまったのですΣ(゚д゚lll)
恐らく10秒程度でしょうか。
しかし、体感としてはもっと長く、永遠に続くようにすら感じられてしまいました。
緊張すると、人は早口になるようです。
ゆっくり目を心がけたいものですね。
音楽はシンガーソングライターになった気持ちで!
30分ほど間があいたはずなのですが、意外とすぐに音楽の試験が始まることとなってしまいました。
全く気が休まらなかった(^^;
いそいそと楽譜を用意して、試験室の廊下で順番を待ちます。
前後の人が3人ぐらい居たでしょうか。
そのうちの1人である、20代前半でしょうか、若くて可愛らしい女性に「緊張しますねっ!頑張りましょうね!!o(>▽<)o」と、ずーっと話しかけられていたせいか、もはや緊張も解けてしまうほどでした。
そうこうしているうちに、自分の番に。
入室すると2人の試験官が待ち構えていました。
今度は、40~50歳ぐらいのご婦人。温和な表情は無く、どうぞと促されるのみでした。
言語のときと同じく、受験番号と名前を言うと、さっさとピアノの前へと促されました。
楽譜をセットした後のことは…これもまたあまり覚えていないのが正直なところなのですが、
「私は天才ピアニストだ!新進気鋭のシンガーソングライターだ!!」ということは頭にあった覚えがあります。
具体的な人物像としては、アンジェラ・アキさんぐらいを思い浮かべていました(^^;
思い込み、やっぱり大事です…!
間違えやすいポイントもいくつかあったのですが、何とかノーミスでくぐり抜けて、試験は終了。
若干の興奮覚めやらぬ状態のまま、帰路についたのでした。
合格への最短ルート!今しておくべきことは?
思えば、実技試験の日は、何だかとても疲れてしまって、どうやって帰ったのかすら覚えていないほど。
でも、とにかく達成感はすごかったです。
練習の成果を出し切れたという満足感でいっぱいで、合格通知を受け取ることなど、想像もしていませんでした。
ただ、黙っていても結果通知はやってくるわけで。
蓋を開けてみれば、自分としては意外なほどの高得点でした。
でも、何でこの点数?と聞かれると、なかなか答えることができません(-ω-;)
そこで、私の経験から、及第点に達するポイントを考えてみました。
合格のために出来そうなこと、是非取り入れてみてくださいね♪
言語は、立って行うべし!
言語の試験会場内には、受験者用の椅子が用意されています。
つまり、受験者は、その椅子に座ってお話しをすることもできるのです。
それにも関わらず、私は、3分間立ちっぱなしで行いました。
まさに、ピン芸人スタイルです(^^;
座った方が落ち着いて話すことができる他、子どもの顔との距離が近くなり、より親近感を持って話すことができるでしょう。
ただ、座ってしまうと、話しているの中でのジェスチャーや動きなどに限界があると考えました。
絵本や人形などの道具を用いることができない以上、頼れるのは自分だけです。
大きな動きができた方が、試験官の印象にも残るし、実際問題として子どもたちも物語に入り込みやすいと考えたのです。
確かに、立って動いて声を出してというのは、たった3分間であっても想像以上にハードです。
しかしそれ以上に、メリットは大きかったように思います。
言語で、時間が余ったらフォローできる言動を!
言語は、どんなに話の途中であっても、早く終わってしまっても、3分間はその場から動くことができません。
どちらになってもマイナスであることには変わりありませんが、話が途中になってしまうと「計画性のない人だ」と判断されるのか、点数が若干低くなるのだとか…。
(本当かな?)
途中で切られてしまった話はリカバーすることができませんが、少し早く終わったくらいなら、その後に「あたかも保育をしているような態度」をとることで間を繋ぐことができるのです。
例えば、2分45秒ぐらいで話し終えてしまったとしたら、「みんな、どうだったー?楽しいお話しだったね~(*^▽^*)♪」などと、笑顔で子どもに向かって話しかけるような形をとることができます。
この姿勢により、話は早く終わってしまっても、試験官に「保育士としての姿を印象づけやすい」というメリットがあるのです。
実は、私も時間を余らせてしまった方なのですが、このフォローはできませんでした。
頭が真っ白になってしまって、本当に立ち尽くすのみでした。
ここは私の失敗ポイントだったと思う次第なのですが、これができていれば、より良い点数をいただけたのかも知れません。
安心してください、落とすための試験ではありません!
ここまで、「練習あるのみ!」や「緊張の連続」など、さんざん脅すようなことを書き綴ってしまいましたが、そもそも、実技試験は「落とすための試験」ではありません。
専門知識が必要な筆記試験を突破し、保育士資格を与えて良いものかという資質を見られる最後の砦であるに過ぎません。
現に、保育士試験の実技試験だけに絞った合格率は、8割を超えるほどなのです。
決して低くはないですよね。
しかし、最後まで油断は禁物です!
試験への準備はもちろんですが、体調もしっかりと整えておく必要があります。
自身の持つ力が全力で出し切れるようにしておきたいものですね。