気になる保育士の勤務シフト!休暇制度や勤務実態はどうなってるの?
働く上で気になるのが、仕事内容と同時に、勤務時間です。
特に、保育士として働くとなると、おおよその場合がシフト制であり、どうしても勤務が変則的なものとなります。
これは、幅広いご家庭の状況にできるだけ合わせるためにと課せられた保育園の使命とも言えるものです。
多くの親御さんが家を空け、「保育に欠ける」時間を、保育園がカバーする必要があるのです。
しかし、保育士として働く方からすれば、十分な検討材料となり得るもの。
契約時間と実際の勤務時間が全く違う!などということも往々にして起こり得ることなのです。
勤務実態…気になりますよね。
ということで、今回は、保育士の勤務実態に関して、お答えしていきましょう。
これも、認可保育園での私の実体験となります。
勤務体系は、雇用形態や法人・施設によって異なる場合がありますので、「こんなトコもあるんだ~」という一例としてご覧いただけましたら幸いです。
勤務シフトは複数種類
「幅広いご家庭の状況にできるだけ合わせる」とは言え、保育士だって人間です。
労働時間は週40時間まで・1日8時間までという、労働基準法は遵守しなくてはなりません(^^;
よって、開園から閉園まで勤務するという保育士は、よほどのことがない限りは、皆無です。
そこで、「時差勤務」と言う名のシフト制がとられることとなります。
これは、雇用契約の状態にもよりますが、パートタイマーを除く保育士なら、アルバイトでも派遣でも契約職員でも、はたまた正規職員でも大きく変わることはありません。
また、どの時間帯にも勤務することで、1日を通しての子どもの様子を把握するというねらいもあるのです。
こちらは、私の勤務していた認可保育園での、ある月のシフト表です。
長らく事務職に従事してきた者としては、「見にくいなぁ~」とか、「如何にもパソコンに慣れていないんだなぁ~」という感想を持ってしまったのは内緒です(^^;
そうです!保育士はパソコンをはじめ、機械モノに慣れていない人が多いのです!
これもまた保育士など、幼児関連の事業に従事する者の特徴と言えるのですが…それもまた改めてお話ししますね(^^;
さてさて、何とも見づらいこのシフト表。
左端に記載のあるマス目から、
- 行事→行事予定。連絡会や園内での行事予定などが書かれています。暗に「この日は休むな!」というプレッシャーです(^^;
- 休暇→先に休暇を取得することがわかってる保育士の名前の記載があります。
- 研修→研修会や勉強会などで園内に居ないことがわかっている保育士の名前の記載があります。
その下の時間からが、当該のシフトにおける出勤時間となっています。
9:00~16:25や9:00~13:15などのイレギュラーな時間帯は、妊娠中の保育士の時短勤務です。
それ以外は、出勤時間に偏り・不平等が出ないように、どの時間帯も均等に当たるようにと作成されています。
個人名が満載なので、一部修正していますが、1つのマス目につき、大体1~4人の保育士の名前が書かれています。
因みに、それぞれのシフトにおける、勤務時間はこうなっていました。
A~E勤務まで来て、いきなりH勤務に飛ぶ辺りに、若干の疑問は感じますが(;´∀`)
私が勤めていた保育園では、フルタイム勤務の保育士はこの時間帯で動いていました。
…といっても、これはあくまでも目安時間。
残業することも多々ありました(^^;
事務時間とは?
勤務時間帯が記された用紙の「事務時間」の文字に首を傾げた人も多いのではないでしょうか。
これは、私が勤務していた保育園だけかも知れないのですが、いわゆる「デスクワーク」の時間帯です。
保育士といえど、100%子どもに関わっているだけではありません。
年間通じて色んな係・役員にあたっていたり、行事の際には準備や片付けなどに携わらなくてはならないことも多数あるのです。
その業務は、勤務時間すべてにわたって保育に充てている中では、こなしていくことがほぼ不可能です。
そこで、設けられているのが、事務時間。
事務時間は、子どもから離れて各々のデスクワークをこなして良い時間となっているのです。
書類を書くも良し、保育計画を立てるも良し、保育室内の掲示物を作るも良しです。
とにかく、子どもを見ながらではこなして行くことが難しい業務をするのに充てて良い時間です。
しかし、事務時間も勤務時間の一環であるため、退勤して良いというわけではありません。
制作も事務仕事も取り立てて無いといった場合には、勤務時間終了まで保育に入ることが原則となっていました。
パート勤務の場合は?
フルタイム勤務者でカバーできない、決められた時間のみ勤務する保育士です。
主に朝だけや、夕方だけなどで勤務するパートタイマーの保育士もいます。
つまり、保育園で言うところの送り迎えラッシュにのみ勤務することとなります。
私の勤めていた認可保育園の場合は、朝7:00~8:00は、パートタイマーの保育士のみで賄っていました。
専ら朝に強いオバチャン…いや、おばあちゃんに近いベテラン保育士さんばかりでした。
7:00から登園する子どもがあまり多くは無かったからかも知れませんが、園の利用状況によっては変わって来るかも知れませんね。
7:00~10:00もしくは15:30~18:30・16:00~19:00が、パートタイマーの保育士の勤務時間となっていました。
パートタイマーには、事務時間は特に設けられていません。
朝シフトの保育士は朝だけにしか居ませんし、夕方シフトの保育士もよほどのことがない限り夕方にしか勤務しません。
また、毎週土曜日のみ出勤するパートタイマーの保育士も居ました。
そして、パートタイマーは、何があろうが時間ピッタリになればササっと退勤します。
当然ながら、誰もそれを咎めたりはしません。
(保育士自体が早く退勤したいのはもちろん、多くの場合は時給計算なので、長く残られると困るという園側の事情もあるようです。)
誰がシフト表を作る?
このシフト表を作るにしても、各園の方針によって様々であるようです。
園長が一括して作成する場合もあれば、担任を持たず臨機応変に対応するフリーの保育士が作成していたり、正規職員の保育士が持ち回りで作成することもあるのだとか。
私が勤めていた認可保育園の場合には、主任級の保育士が月半ばに作成し、周知していました。
当然、それまでに休暇を取得することがわかっている場合や、その他予定や希望などは伝えておく必要がありましたが、急な出勤時間の変更を申し出ても、意外と臨機応変に対応してくださることが多かったですよ。
そこは、保育士同士「持ちつ持たれつ」といったところでしょうか。
勤務実態はどう?
ではでは、もっと踏み込んだところまでお話しすることとしましょう。
フルタイム勤務の保育士は、このシフトに従って勤務することとなります。
…いや、なるはずなのですが、現実はなかなかそうも行かないことばかりです。
私の場合は、めまぐるしく変わる季節に応じて園内の掲示物を変えるために制作に勤しむのが常でした。
また、行事前、とくに運動会や生活発表会の前となると、子どもも何かと忙しいものの、保育士も準備や指導に奔走することとなります。
お子様の晴れ姿は、お子様自身の努力はもちろん、保育士も何かと奮闘しているものなんですよ(;´∀`)
更に、クラス担任ともなると、自身が担任しているクラスの子どもが全員帰るまで退勤できないこともあります。
例えば、予定の時間になってもお迎えに来ない親御さんを待って、一言口添えするのも重要な役割となって来ます。
色んな事情があるので、なかなか言いたくはないのですが、度重なるようなことがあれば互いに不幸なので、やむを得ないことでしたね…。
休憩は、ほぼ皆無
勤務時間帯の表をご覧いただいてお気づきかとも思われますが、これ、休憩時間の明記が無いのです。
保育士は、ただでさえ生身の子ども相手の仕事となりますので、毎日いつ・何があるとも知れない状態です。
そんな中では休憩時間を決めることができない!というのが前提となっています。
確かに、OLさんのように「12:00になったからお昼行ってきます~♪」というわけには行きませんよね。
保育士の昼休み(休憩時間)は、子どもが午睡(お昼寝)している時間ということになっています。
しかし、子どもの状況を見ながら、部屋の隅でコソコソとパンやおにぎりを頬張るということになります。
加えて、連絡ノートや保育記録も記入しなくてはなりません。
「休憩であって、休憩ではない」というのが正直なところでしょうか。
あくまで私の場合なのですが、子どもの保育に携わっている時間は、方時も気を抜くことができませんでした。
ベテランの方になると、上手く気を抜くこともできるようになってくるのかな…(´・ω・`)
しかし、その一瞬の気の緩みが、時として重大事故を招いてしまう恐れがあること。
それを私は、いつも恐れていたように思います。
休暇は取りやすい?
なかなか気が休まる暇もない勤務時間を終えると、なかなかクタクタな状態で1日が終わって行きます。
そこで、1つの楽しみとなるのが、休暇です。
可愛い子どもたちに囲まれるのも良いですが、業務から離れてまた新鮮な気持ちで臨むことも大切です。
労働基準法にある「使用者は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない」との規程を、保育園も遵守する必要があります。
多くの保育園の場合、日・祝日はどの職員も休みで、土曜日が変則勤務となっています。
私の勤めていた保育園では、土曜日のみのパートタイマーに加え、フルタイム勤務者が概ね月1回程度の出勤となっていました。
なので、月7~8日程度が休日ということになっていたでしょうか。
この点に関しては特にブラックでも、しんどいとも感じることはありませんでした。
休暇制度はどう?
多くの保育園の場合、法定通りかそれ以上のの年次有給休暇がきちんと付与されています。
私が勤務していた保育園の場合は、年15日の有給休暇が入職当初から契約に盛り込まれていました。
加えて、他にも、慶弔休暇や産休・育休、介護休暇など、ひととおりの休暇制度はきちんと用意されていました。
就業規則にも、きちんとその旨は書かれてありましたよ( ..)φ
しかしながら、実態としては、そう簡単に休暇が取得できるわけではありませんでした。
それというのも、保育を行うにあたっては、子どもの数に対しての保育士の数が決まっています。
特に、認可保育園においては、それを順守する必要があります。
しかし、昨今の保育士不足なども相まって、どの保育園も保育士と子どもの受入数がギリギリのラインで設定されていることも少なくありません。
つまり、保育士が1人でも欠けると、保育が行えなくなる場合があるのです!
これは、運営自体にも関わる、由々しき事態です。
そのため、よほどのことがない限りは有給休暇を取得できない状況にありました。
たとえ風邪を引いても、インフルエンザなどの感染症でなければ原則出勤となります。
ただ、子どもに移してしまわないように細心の注意を払って保育を行わなくてはなりません。
マスクをして、おでこには冷却シートを貼って、腰にはカイロを仕込む…
そんな、満身創痍の状態で働く保育士も1人や2人ではありませんでした。
主担は年休取得が困難
主担というのは、複数いるクラス担任のうちの、リーダーとなる保育士のことを指します。
いわゆる、代表者ですね。
この、「プチ管理職」のような状態になってしまうと、ただでさえ難しい年休の取得が、一気に困難を極めるものとなってしまうのです。
やはり、クラスの子どもに対して一番責任を負うのは主担です。
それだけの仕事に対する情熱が無ければ、務まらないのかも知れませんね。
因みに、更に上の、園長クラスの管理職になると、研修や出張なども相まってか、園を不在にすることも多々ありました。
年休もバンバン使ってらっしゃいましたよ~(*'ω'*)
確かに、普段から保育にあまり携わっていない園長だったので、居てもいなくても、さほど現場は変わりません。
「こういうのは管理職から率先してやらなきゃ!園が良くならないわ」
なんて言ってましたが。
少なくとも私が勤めている間には、休暇の取りづらい状態が大きく変わることはありませんでした。