保育士の裏側

元保育士が綴る保育士のなり方や仕事内容から人間関係など裏側をお伝えします。

実録!保育園の1日 子どもはどんな毎日を送っている?

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仕事や家事・育児を行う上では欠かせない存在とも言える保育園。
特に、日中仕事をしている親御さんにとっては、「保育園こそ頼みの綱!」と、全権の信頼を置いている方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、そんな保育園で、子どもが毎日、どんな生活をしているか、知っていますか?

 

「連絡ノートや、こまめにおたよりくれるしから大丈夫!」や、
「保育参観行って現場見たし、バッチリよ!」と、の声が聞かれることでしょう。

 

とはいえ、日常で行われている通常保育に「最初から最後まで1日密着したことがある!」という親御さんは、果たしてどれぐらいいるでしょうか?

 

そもそも、毎日仕事やその他やむを得ない事情があって保育園を利用しているご家庭がほとんどであるわけで…。
1日ベッタリ保育園に入り浸ることができるのであれば、そもそも預けたりなどしませんよね(^^;

 

また、子どもから聞き出せる情報もごくわずか。
幼ければ幼いほどに、その状況をつぶさに聞き出すことは難しいものです。

 

保育士に聞いても、その詳細を聞き出すことは難しいでしょう。
何しろ、一人で多数を相手にしているとあって、目の前のことに必死で「詳しく覚えていない・見ていない」という保育士も居ますので(^^;

 

そこで、子どもたちがどんな日常を過ごしているか?を、できるだけ細部にわたってお伝えしていきます。


園によって多少の違いはあるかと考えられますので、あくまで私が勤務していた認可保育園でのことをお話しします。

 

このブログのタイトルでもある「保育士の裏側」の真骨頂とも言えるでしょう。
お楽しみに(*´▽`*)♪

 

 

 

登園前


当該の勤務開始時刻に出勤して、子どもの登園を待ちます。


私の居た保育園では、預かり開始時刻が7:30となっていました。
その30分前である7:00が、保育士の勤務シフト上、一番に出勤する時間帯となっています。

 

出勤簿に印鑑をついた後は、園内のありとあらゆる部屋のカギを開けたり、冷暖房を付けたり、ボイラーを稼働させたり…
と、ひとしきり園内を走り回った後、一番広い教室にて子どもの登園を待ちます。

 

子どもが登園するまでは特段、やることがないので、掲示物の制作などの作業を部分的にこなすこともありました。

 

ただ、預かり開始時刻は親御さんにもキッチリ守らせる園であったため、いくら手持ち無沙汰になっても、7:30までは頑なに園の門を開門しない方針でした(^^;

 

登園


そうこうしているうちに、一番に登園する子どもがやって来ます。

開門10分前から園の外で待っている親子も居て、無言の圧力をかけられることもしばしば。
その姿は、バーゲンセール中のデパートで、開店を待ち構えているマダムさながらです(;´∀`)

 

預かり開始時刻を迎えると、子どもにとっての長い1日の始まりです。

 

親御さんは、それぞれの教室で我が子の用品を用意した後、保育士に向かって我が子を投げつけるように預け、そそくさと出かけて行きます。
名残惜しそうに別れを惜しんでいる親御さんは、寧ろ少数派です。
「電車に乗り遅れたら会議に間に合わないのよ!(怒)」と本当に言いながら出かけて行かれる方も。


…あぁ、お忙しいんだろうなぁ(^^;

 

子どもの方も、割とドライなもので。
年度始まりこそ、泣いている子は多く親御さんを悩ませるものですが、日が経つごとに目に見えて減り、
「あぁ、行ってらっしゃい。ボクはボクでここを楽しむからいいよ(^^)/」という声が聞こえてきそうなほどです。

 

子どもって順応する…本当に!!

 

登園する子どもが少ないうちは、大部屋で異年齢保育(全年齢ごちゃまぜ)が行われますが、
徐々に増えてくると、3歳以上児と3歳未満児の2教室体制となり、
概ね全園児が揃う9:00ごろには、各クラスに分かれての保育が行われます。

 

クラスに分かれる頃には、午前中のおやつが用意されます。
牛乳とクッキーやビスケットなど、サッと食べて小腹を満たせるものを提供されます。

 

全体集会


毎日ではないものの、全園児が園庭に出て、集会が行われます。
これは、保育参観などでもご覧になったことがある親御さんも多いのではないでしょうか。

 

園長先生の話を聞いたり、お誕生日の子どもの紹介が行われたり、体操したり…
ときには、年長児が前に出て集会の司会を行うこともあります。

 

集団の一員として「全体で行動する」ということや、前に出ている人の話しを聞くということで集中力が養われるとのねらいが、ここにもあるのです。


午前中の保育


主に、年齢ごとの計画保育の時間です。

 

教室内で歌を歌ったり、図画工作をしたり、天気が良ければ散歩に出かけたりして過ごします。


2~3ヶ月に1回程度は、外部からゲストを招き、音楽会や人形劇などが催されることもありました。

 

夏は水遊びも取り入れられ、園庭に設置されたプールに水を張って遊びます。
このプールの管理や掃除は、当然ながら保育士が当番制で行いますよ~。

 

3歳以上の子どもたちは、身体づくりのためにと次々にアクティブな遊びを取り入れ、徹底的に「疲れさせる」・「お腹を空かせる」ことを目的とし、
3歳未満の子どもたちは、年齢や発育状況に応じた遊びを取り入れつつも、授乳やトイレトレーニングなど、生活のリズムを整えることを中心に保育を行います。

 

保育園児のママさんが「そういえば、ウチの子、いつの間にかオムツが要らなくなったなぁ~」や、「お箸の使い方が上手くなったなぁ~」と感じられることも多いでしょう。
これ、日々の計画保育の賜物なんですよ♪
(だからもっと褒めて!(笑))

 

この、午前中に行う保育は、「デイリープログラム」とも呼ばれ、クラスの状況や年齢を鑑みて、担任の保育士間で話し合って決定します。


一見、何の計画性もなく単に遊んでいるだけのように思われますが、保育におけるねらいや目標などが定められたものなのです。


そこには、子どもが「善く生きる」ための道筋が散りばめられているのです。

…とはいえ、計画が全て上手く行くようなら苦労はしません(^^;

 

途中で泣き出す子ケンカし始める子体調不良でバタッと倒れる子…などなど、不測の事態は付きものです。
それゆえ、保育士も計画を実行することよりも、臨機応変さが要求されることとなります。

 

言い方が乱暴にはなりますが、保育士も計画通りに進める努力はするものの、その計画には良くも悪くも固執していないのが事実です。

 

保護者が迎えに来るまで、子どもをケガさせることなく預かること


これが、保育士における最大のミッションということを踏まえれば、情熱的な保育をする保育士は多くないというのも納得できるかも知れませんね。


昼食


さて、子どもにとってのお待ちかねの時間!昼食です。
しかし、保育士にとっては、一番の仕事量が待ち構えている時間帯と言っても過言ではありません。

 

子どもの年齢にもよりますが、概ね11:00~11:30までには全園児が給食を食べ始めます。

 

私の勤務していた保育園では、お弁当の日は多くても月に1回程度で、それ以外は給食室で用意した給食でした。
栄養士・調理師が調理し、クラスごとに分けたものを、保育士が取りに行き、子どもたちに配膳します。


年中・年長児になると、給食当番といった制度を設けていますが、小学校の給食のように、全員分を取り分けて…ということはあまりありませんでした。

 

離乳食の子どもは、離乳がどの程度進んでいるか?ということを、ご家庭と連携を取りながら給食を提供しています。
食べたことのない食材が含まれていないか?柔らかさなどはどうか?など、栄養士・調理師・保育士が一緒になって確認を行います。

 

教室内はカオスに…!


普通食の子どもでも、まだ食具が上手く使えない子どもたちは、こぼす・倒すなどは日常茶飯事(-ω-;)
「これ、食べる量より、こぼす量の方が多くないかぃ?」ということもしょっちゅうです。

 

また、嫌いなものがメニューにあったときの対応も困るところ。
その食材を食べないどころか、投げつけてくる子どもも居るほどΣ(゚Д゚)


保育士によっては、ご飯に混ぜてでも無理矢理食べさせる場合もあれば、「違うものでおなかを満たせれば良い」という方針の保育士も居ます。

 

私は、自分の子どもに対してもそうなのですが、「無理に食べなくてもいいよ」というタイプ。
お腹を満たせればそれで良いとは思わないまでも、「別のもので同じ栄養を摂ればいいじゃない」と考えているのです。

 

例えば、「ニンジンが苦手ならカボチャ食べれば良いよね」といったところです。
カロテンやビタミンAなど、共通した栄養素が含まれているからです。

 

しかし、やはりそれを良く思わない保育士は居るもので…(;´・ω・)


「何故残すことを許した!?お前アホか!??(怒)」などと、おばあちゃん保育士に限ってぶつくさ言われたりしたものでした(^^;

 

まぁ、食べられる食材が多いに越したことは無いので、その言い分はわからないでもないのですが…
頭ごなしに「アホか(怒)」と言えてしまうのも、凄いですよね~。
(あ、保育士って優しそうに見えて意外と口が悪いものですよ。そのこともまたお話ししますね。)

 

食事の摂り方に関しては、ご家庭の方針もありますし、連携を取りながら進めなきゃいけないところでしょうね。

 

アレルギーには最大限気を配る!


最も気を付けなければならないのが、アレルギーの問題!

食品アレルギーを持つ子どもは、当該のアレルゲンとなり得る食材が含まれていない「除去食」を提供することとなります。

 

これ、絶対に間違えてはいけないので、職員一同真剣に目を光らせています。

 

もし、アレルギーの子どもに対して「普通食」が提供されることとなれば、かゆみ・痛み・発熱…など、様々な変調をもたらすこととなります。
最悪の場合は、アナフィラキシーショックを起こして死に至ることもある、本当に恐ろしいものなのです。

 

特に小さい子どもは、身体に変調をきたしても、訴えることが困難です。
給食のトレイの色を変える普通食の子とは席をわけるなどは、どこの保育園でも行っていることでしょう。


更に、保育士がマンツーマンで食事介助を行ったり、昼食の時間帯をずらすこともあるなど、神経を集中させて対応します。

 

それだけ、アレルギーに対しては真剣に向き合わなければならないことなのです。

 

先生は給食食べないの?


よく聞かれるのが、「保育士は給食を食べないのか?」ということです。

 

これ、園の方針にもよりますが、私が勤務していた保育園では、いずれも保育士は給食を口にすることはほとんどありませんでした。


それというのも、もし、子ども・職員全員が同じものを食べて、集団で食中毒などを起こしたとき、誰も対応できなくなるどころか、二次感染・三次感染などをも引き起こす可能性があるからなのです。


給食室のスタッフを信頼していないわけではないのですが、万一のことを考えて、被害を最小限にとどめるとの考えがあったからなのでした。

 

ただ、「ほとんど」と述べたのにも理由があって…実は、全く食べないわけではないのです。


それが、「検食」と呼ばれるもの。
子どもたちに出す給食に異物が入っていないか?色彩や味付けは問題ないか?などを、実際の給食を食べながらアンケート形式で答えるものなのです。

 

この検食は、保育園長は毎日行いますが、他の保育士は、大体1か月に1回くらい、検食の担当が回って来ます。
その時は「お弁当要らないし、ラッキー♪」といったところです。

 

昼食のみならず、おやつも検食があるので、検食担当の日は、1日お腹がいっぱいの状態が続きます(^^;

 

午睡(お昼寝)


このとき、既に12:30を回ったころ。
年長児は午睡しない場合もありますが、それ以外はみんな、「食べたら寝る」という状態になります。

 

教室内の給食を片付けて、布団を敷いて準備する保育士と、その用意ができるまで子どもたちを引き付けておく担当の保育士に分かれます。


…まぁ、大体肉体労働は、大体30歳前後までの保育士が担当で、あんまり動かなくていい仕事はベテラン保育士がしますね。

 

手遊びして、絵本を読んでという一連の動作を経て、寝かしつけに入ります。

 

小さい子どもほど、床に就かない&そもそも寝ようとしませんΣ(゚Д゚)
各々の生活リズムもありますし、有り余るエネルギーが発散できていないということもあるのでしょう。

これに対しては、強制的に布団に連れて行って、力づくで寝転ばせて寝かしつけようとする保育士も居れば、
「ケガしない程度に勝手にどうぞ」と放置する保育士も居れば、
左手でトントンと寝かしつけながら、右手で違う子どもを抱きかかえ、おんぶひもでまた別の子どもを背負う…という離れ業をやってのける保育士も居ます。


お昼寝タイム≠保育士の昼休み


上手く行かない日もありますが、大抵数十分後には全員入眠するので、手が空く状態にはなります。

 

さてさて保育士もようやく一息つける時間…というわけでもありません。

 

まず、子どもの睡眠状態をチェックする作業は怠れません。
年齢により異なりますが、大体5分~15分に1回は、呼吸をしているか?寝苦しさはないか?などを1人ずつチェックして回り、記録を付けます。

 

また、それらをチェックしながら、自分のクラスの子どもの連絡帳に、子どもの様子を記入します。


「今日は、こんなことをしました。」「こんな表情を見せてくれました。」など、
これ、なかなかのボキャブラリーと文章能力が求められる仕事なんですよ(;´∀`)

しかし、これが親御さんにとっては、唯一の日々の子どもの情報源。
書く方も自然と気合が入ります…!
(この連絡帳の書き方にも色々ルールがあるので…また機会を見つけてお話ししますね♪)

 

この事務作業をこなしながら、ようやくお昼御飯です。
OLさんのように、外に出てランチ♪というのは、ほぼ不可能(^^;
絶対的にお弁当です!!

 

しかし、そのお弁当もなかなか食べる時間がありません。
早い子どもだと、入眠から30分ほどで起きてしまい、再眠ができない状態になると、その子どもの対応をしなければならなくなるなど、結構ハード(;゚Д゚)


そんなこんなで、結局いつもパンやおにぎりなど、手軽なものに落ち着いてしまいます。

 

保育士の昼食は、意外と粗食なのです(´-ω-`)

 

また、勤務時間上、7時間半の勤務で1時間の昼休憩があるはずなのですが、ほぼゼロに近い状態です。
子どもが寝ている時間も、かたどきも休まらない、ずーっと気が張った状態が続きます。
(保育士の勤務体系の実態に関しても、また機会を設けてお話ししますね。)

 

おやつ


14:00を回るころには、起きる子が多くなってきます。
こうなると、もう、止められません。

 

寝ている子どもを踏んづけてしまい、事故になるとも知れないため、起きている子どもを、寝ている子どもになるべく近づけないようにと策が講じられます。
絵本・手遊びの他、折り紙などもよく使いますね。

 

そうこうしていると、全員起きて来て、トイレを済ませた後に、おやつタイムとなります。

 

おやつも昼食同様、アレルギーなどに配慮したものが提供されます。


私が居た保育園では、おやつも100%手作りのもの。
おにぎりなどの簡単メニューのときもあれば、ゼリーやパウンドケーキなど、ちょっと手の込んだメニューまで色々でした。

 

おともとなる飲み物はほぼ牛乳でしたが、アレルギーの子どもや2杯目の子どもには麦茶が出されます。
ごくたまに、リンゴジュースなどになるときもありました。

 

午後の保育


おやつが済んだ15:00ごろからは自由保育となります。


この時間になると、早い子どもだとお迎えがあったり、徐々に降園していく時間帯になります。

 

晴れている日は、大抵、全員園庭に出され、保育士が当番制で教室内を清掃します。

 

園庭とはいえ、危険が全くないわけではありません。


ドアに手を挟んだりしないか?ボール遊びの仕方は適切か?ケンカしていないか…など、一緒に遊びながらも周囲に常に気を配って、指揮・監督します。

 

日が傾きかける16:30ごろまでには教室に戻り、室内での自由遊びを楽しみます。


絵本・積み木・塗り絵などで遊ぶ子どもも居れば、年長児になるとボードゲームなど、複雑なルールのものでも遊ぶことができるようになります。

 

そうこうしているうちに、続々とお迎えが来て1人減り2人減り…となると、
教室も複数クラスがまとめられて1つになり、朝のような異年齢保育の状態となっていきます。

 

私の勤務していた保育園では、18:00までが通常保育で、延長の申請をすれば、最長19:00までの預かりが可能でした。


18:00を過ぎると、ほとんどの子どもは降園しているものの、残っている子どもには、朝のおやつのような軽食が提供されます。


夕食前の小腹がすく時間帯を、少しのお菓子とお茶で埋めながら、親御さんのお迎えを待つのです。

 

親御さんと話すのも仕事のうち


自分のクラスの子どものお迎えがあった際には、可能な限り、親御さんと話をするようにします。
連絡ノートでは語りつくせない部分があったり、重要な連絡事項は口頭で伝えたり…内容は様々です。
それに、降園時だと、親御さんも比較的時間に余裕があるため、お話ししやすいのです。

 

やはり、毎日子どもを預かる身としては、親御さんとのコミュニケーションを図り、信頼関係を構築しておくことが重要なのです。

 

降園後、保育士は何してる?


子どもたち全員を送り出した後、保育士は何をしているのでしょうか?

 

単刀直入に言ってしまえば、何もなければ即刻帰宅します!


なんなら、最後の子どもの親御さんが迎えに来る前に、自分の荷物をロッカールームから持ってきておき、すぐに帰れるように準備しているのです。

 

しかし、なかなかサッとは帰宅できないのが現状です。
季節ごとの掲示物の制作や貼り替えがあったり、運動会・お遊戯会の前には準備に忙殺されています。

 

中には、残業させるのが嫌で、「持って帰って準備して!」という主任級の保育士は居ます。
でも、「持ち帰ってまで仕事したくない!」と考える保育士が大半であり、21:00やもっと遅くまで残業するということは往々にして有り得ます。

 

なかなかブラックだと思うのですが…いかがでしょうか?
一般企業では普通なのかな?
私の経験上、「定時に帰宅できない奴は、業務効率化ができていない証拠だ!」などと言われることが多かったため、残って仕事することが決して美学だとは思えないのですが…(;^ω^)

 

よく、「保育士は遊んでるだけで給料もらえていいなぁ~」なんて聞きますよね。
私も、最初はぶっちゃけそう思っていました(^^;
でも、現実は、そうではないことがたくさんあったのです。

 

どんな仕事にも、楽しい面・大変な面というのは、必ず存在するものなのですね。

 

保育園に通う子どもを持つ親御さんが、自分が仕事をしている時間、子どもがどんな日常を過ごしているか?参考になれば幸いですm(__)m♪