保育園以外にある保育士資格の使い道!就職先探しに役立つ10職種以上まとめ!
保育士と言えば、保育園にお勤めするものと思いがちですよね。
認可・認可外・認証・小規模など、様々な形態がありますが、いずれも保育園には変わりありません。
「保育士=保育園勤務」という構図を描きやすいのも、そのはず。
保育士資格を取得し、それを仕事に活かしている人の大多数が保育園に勤務し、日々子どもの成長に携わっているのです。
しかし、保育士資格を持ち、その知識を活かしながらも保育園に勤務していない人が居るのも事実です。
その方々は、一体、どこで・何をしているのでしょうか?( ゚Д゚)
今回は、知られざる保育士資格の使い道について考えてみましょう♪
子どもの日常生活に携わるなら?
保育園以外でも、子どもの日々の生活に関わり、その健やかな成長を見守ることができる職種はたくさんあります。
オーソドックスなところで言えば、幼稚園の先生ですね。
クラスリーダーとなったり、施設の運営に携わるには幼稚園教諭の資格も必要なのですが、保育士資格だけでも幼稚園で勤務することは可能です。
特に、今は、幼稚園も預かり時間を延長し、保護者が働いていても入園できるようにと整備している幼稚園も増えているようです。
こうした、毎日子どもが通う「園」で保育士として働く他にも、子どもと日常生活を共にしながら保育士資格を生かすことができる仕事もあります。
ベビーシッター
主に個人宅を訪問して、保育を行うサービスです。
「ベビー」という名こそ付いているものの、小学生までの子どもを相手にする場合もあります。
ほぼ1対1、もしくは多くとも子ども2~3人を保育士1人で見るという環境になります。
また、年齢のみならず、家庭環境も様々な子どもを相手にすることとなり、保育士の専門性や臨機応変さが求められることとなるでしょう。
幼稚園・保育園・習い事への送迎や、保護者の仕事状況によってはその職場に連れて行くこともあります。
よく、バラエティ番組などでママタレントが口にする、「今日はシッターさんと子どもが現場に来ています♪」などと言う場合の、「シッターさん」は、このベビーシッターのことを指しています。
欧米などでは一般化しているサービスで、中高生のお小遣い稼ぎのアルバイトで行われる場合もあれば、「ナニー」と呼ばれる専門の養成校を卒業している人までいるなど、その知識・経験の幅が広いようです。
最近ではベビーシッターサービスを組み込んだ家事代行サービスもあります。依頼主の子どものお世話をしつつ、家事も行います。共働き世帯が増えることに比例し、このようなサービスの需要も増加傾向にあります。
病児保育
普段は保育園や幼稚園に通っている子どもが発熱や伝染病などにかかり、保護者が仕事を休めず看病に専念できない場合の保育サービスです。
小児科の病院やクリニックに併設されているような施設型と保育士が個人宅に派遣する訪問型の2タイプがあります。
訪問型の場合は、ベビーシッターのような保育環境で、ほぼマンツーマンで保育が行えます。
施設型の場合は、規模にもよりますが、保育士2~3人で、最大10人程度の子どもを保育することとなります。
また、保育士だけで保育を行うのではなく、看護師や医師も随時様子を見たり、診察を行ったりします。
実は、私は、認可保育園で勤務した後は、小児科クリニック併設の病児保育所でも働いていた経験があるんですよ♪
これもまぁ、なかなかのエピソードがありますので…(^^;
機会を見つけて、その魅力や困ったポイントなど、お話しすることとしますね。
学童指導員
学童保育の先生として、小学生の保育に関わるお仕事です。
日中に保護者が家庭に居ない小学生が、放課後に遊んだり勉強をしたりして過ごす生活の場を提供するのです。
法律上は「放課後児童健全育成事業」というお堅い名前のついた、厚生労働省が所管する施設なのですが、「学童保育」の名称が定着しています。
また、市区町村などが設置した公設のものもあれば、民間事業者が設置し、NPO法人や会社が運営しているものもあります。
学校授業のある通常利用日・学校が休業中の1日利用日・行事などによる振替休業日などに分けて運営がなされており、職員の出勤スケジュールもそれによって変動があります。
家庭的保育事業
いわゆる「保育ママ」と呼ばれるものです。
自治体の認定を受け、仕事やその他事情によって保育ができない保護者に代わって、3歳未満の子どもを保育します。
主に、保育者の自宅や、マンションの1室のような小さい施設で行われますが、利用者宅を訪問して保育を行う場合もあります。
ただ、保育ママの制度・条件は自治体によって異なる場合があり、まだまだその定義が曖昧です。
保育士などの有資格者でなくとも、一定の講習・研修を受講すれば認定を受けられることもあり、その責務の重大さを事業主に実感させることがなかなか困難でもあるようです。
そのせいもあってか無資格者による事故が相次いで発生しているにも関わらず、万が一の際の責任の所在が明確ではないことなどもあり、なかなかその輪が広がりにくい事業ともなっているようです。
児童福祉に携わるなら?
18歳未満の児童に対しての福祉サービスを提供することに、保育士が携わることもできます。
何らかの事情で親元で暮らすことができない子どもを預かったり引き取ったりして療育する施設で、活躍が期待できます。
この場合、児童が生活する施設に勤務することとなるので、児童と寝食を共にし、泊まり込みで勤務する場合もあります。
また、多くの場合が、複数の職員との365日24時間交代制のシフト勤務となることから、休暇や休憩時間が必ずしも一定ではないため、体力面ではかなりのタフさが要求されるでしょう。
子どもをなるべく親元へ返すことが原則ではありますが、入所している間は「児童の親代わり」となることが必要となるのです。
乳児院
生後間もなくから2歳未満の乳幼児を療育する施設です。
食事・排泄はもちろん、年齢相応の生活レベルが保てるような養護と教育が必要となります。
なお、入所条件は「何らかの理由で保護者とともに生活ができない子ども」というだけであって、必ずしも健常な子どもとは限りません。
児童養護施設
かつては「孤児院」や「養護施設」とも呼ばれた施設です。
こちらは、2歳から18歳までの子どもが入所します。
乳児院からそのまま来る子どもも居れば、保護者との関係や家庭環境など、何らかの理由で、家庭での生活が続けられなくなった子どもも居ます。
子どもにより、その環境がまちまちであるため、臨床心理士や児童福祉士などと随時連携を図って保育を行うこととなります。
社会福祉に携わるなら?
もっと視野を広げ、広く社会福祉の場でも、保育士の資格が生きることがあります。
障害者施設
概ね、障害者施設にはこのようなものがあります。
学校や保育園のように毎日通うものもあれば、生活の場となる施設もあります。
保育士の役割は、児童と保護者の支援というところにはなりますが、子どもに基本的な生活習慣を身に付けさせるというのが、大きな役割となります。
他の分野の専門家とともに、当該の子どもの人間形成を図ることとなるのです。
放課後等デイサービス
学童保育とも似ていますが、こちらは、障害のある6~18歳の子どもが放課後に利用する施設です。
療育と居場所の両方を兼ね備えています。
生活能力向上や社会との交流を図るために継続的に提供されるものです。
児童発達支援管理責任者や機能訓練士などとともに保育士の配置が必須となっていることが特徴です。
母子生活支援施設
配偶者のいない母と、その子どもに安全な住まいを提供します。
かつては「母子寮」などとも呼ばれていました。
子どもの成長と、母子の自立した生活を促進するために支援を行う施設であり、保育士は、相談業務や生活サポートに従事します。
保育士の勤務体系は、児童福祉施設などと同様、変則勤務となる場合が多いようです。
地域の子育てサポーター
市町村が設置しているものや町内会などの地域に根付いたコミュニティが任意で結成しているものまで、規模は様々。
支援の方法も様々ですが、概ね、地域の親子に対して遊び場やイベントを提供したり、相談業務を行ったりするものが多いようです。
無償のボランティアが大半であり、まだまだ職業としては確立されていない部分もあるようです。
医療機関に携わるなら?
保育士は、医療行為を行えるわけではありません。
しかし、病院などの医療機関でも、保育士の専門性が活かされることもあるのです。
病棟保育・医療保育
小児病棟のある病院で、入院している子どもたちに対して院内保育を行うものです。
閉鎖的になりがちな病院で、遊びやコミュニケーションの機会を提供します。
病状により状況が様々であるため、医師や看護師と連携を図りながら、日常の保育を行います。
周産期医療施設
総合病院の中の産婦人科や、クリニック、助産施設といった妊娠・出産にかかる周産期医療施設でも活躍の場が用意されています。
新生児のケアや、保護者への子育てのアドバイス、出産時に上の子どもを保育する…といったことで妊産婦をサポートすることとなるのです。
こちらもまた、医師・看護師と連携を図りながらケアを行います。
次世代の保育士を育てるなら?
保育士としての経験をもって、次の保育士を育てたい!と思われる方もいらっしゃることでしょう。
もちろん、そういったキャリアパスも可能です。
例えば、次のようなケースはいかがでしょうか。
大学や専門学校の教員
保育士を養成できる指定教育機関(指定保育士養成施設といいます)で教鞭を取ることが可能です。
この場合、特に教員免許が必要なわけではなく、現場で得た経験と実績を、後輩たちに伝えることとなるのです。
しかし、保育士としての実務経験はもちろん、修士号以上の学位を持っていなければならないこともあるなど、狭き門となっています。
また、大学となると「研究者」として扱われるため、より専門的な研究を生涯にわたって続ける必要があるのです。
通信教育の採点者
いわゆる「赤ペン先生」のような立場の人です。
通信教育にて保育士試験に向けた勉強を進める人に対して、学習支援や課題テストの採点・添削を行います。
在宅で行える場合がほとんどであるため、スキマ時間を有効に使えるとあって副業にしている人もいるほど。
ただ、内職的な要素が強く、なかなか退職する人が居ないため、ポストが空きにくいことが難点となっています。
知識を生かせる!意外な職種は?
保育士としての勤務経験が無くとも、保育士の資格が生きそうな意外な場面もあります。
子ども用品の開発・販売
少子化とあって、下火のように思われる子供服業界ですが、「ひとりの子どもを大事にしたい!」という傾向が強まっているためか、業界としては好調です。
子どもの発達段階や特徴を心得た保育士ならではの視点をもって、商品開発や企画に活かすことができるのです。
また、販売に際しても、商品のメリットや使用方法などを顧客目線で理解し、提案することも可能とあって、メーカーには大変重宝される存在なのです。
幼児教室のインストラクター
幼稚園受験・小学校受験などが一般化するにしたがって、幼児教室や知能開発教室なども増加傾向にあります。
こうした幼児教室のインストラクターは、無資格でもなれるものですが、保育士資格を持っていると、就職の際により有利に働きます。
また、スイミングスクールや絵画教室などでも、特技を生かして活躍することも可能です。
美容院やエステサロンなどでの一時預かり
「ママにも育児休暇を!」というのが一般化し、託児機能付きの美容院やサロンが徐々に広がっています。
数十分~数時間のこととはいえ、子どもを預かるという特性上、保育士の配置は必要となります。
美容院がエステサロンが続々と増え、競争が激化するに従い、こういったところでサービスの差別化を図ろうという狙いがあるようです。
保育士資格は生涯活かせる!
保育士資格は、一度取得すると更新することなく、一生ものです。
欠格事項に当てはまると執行する場合も無きにしも非ずですが、通常はずっと保育士で居ることができるのです。
それゆえ、たとえ、今は保育士資格を生かして仕事をせずとも、いつでもその資格を生かして、これらの仕事に就くことが可能なのです。
保育士は、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行う者を指すと、児童福祉法で定義されています。
つまり、子どもとその保護者の生活に関するプロであるのです。
得た知識と資格は、絶対無駄にはなりません。
その資格を活用する道は、こんなにも広がっているのです。
あなたらしい働き方がきっと見つかるはずですよ♪